いきログ

インハウスデザイナーやってる会社員がフリーランス転身を目指して生きる日々の記録ブログ。【※noteに移行して更新終了しています】

あまり知られていない?!"オフラインもの"のデザイナーが普段考えていること

こんばんは!いまい(@Imai_design)です。

社内デザイナーという言葉を使わせていただいてますが、ポスター・チラシ・垂れ幕・のぼり・看板など、紙や布に印刷して使う色々な「オフラインもの」を作るのが主な仕事のひとつです。

オフラインものをデザインするとき、一番気を付けていることがあります。

●オフラインものは画面にかじりつかず、外に目を向けてデザインする

パソコンの中での見栄えより、印刷された後の見え方を予想して作るのが大事!だと思っています。 とても「当たり前」な事なのですが、作業をしていると終始画面と見つめあることになり、見つめすぎて画面の中に意識が潜り込んでしまう事が多いので、常に心に留めておくように気を付けています。今日は私がこの考えを持つようになったきっかけをご紹介します。 

・失敗がきっかけだった

とても見栄えよく・かっこいいポスターがデザインできて、依頼いただいた方からも「これカッコイイね~!」とてもいい反応とGOサインも引き出せて、よし!じゃあデータ送ってあとは実物納品するだけだ!とウキウキでデータを納品。しかし、実際に印刷納品されたものを見て「あれ、思ってたのと違う…!?」と感じたり、あんなに完全同意してくれた依頼者さんからも「お店で使ったら思ったよりイマイチだったよ~!」という声が届き… 

「印刷代無駄にしてしまったかも!?」仕事を始めたばかりの頃、こんな事がよくありました。

 

フォントだって目立つ書体使ってるし、読みやすいようなレイアウトにもしてるし、色もちゃんとビビットカラー使ってるし…どういうこと!?パソコンの前で考えても答えにたどり着けなさそうだったので、実際にお店へ足を運んでみたんです。で、現地で確認してみてビックリ!画面の中ではあんなにカッコよくみえていたのに、いざ街中で見てみると、たしかに全然目立ってない!一番しっくりくる日本語で表現すると「街の色に埋もれている」状態でした。

 

 ・何が原因だったのか→「画面の中での見栄え」ばかり考えていて、掲示ロケーションを微塵も考えていなかった 

オフラインものを作るときは画面の外に目を向ける作業が必要だった・・・!

何かのデザインを頼まれたとき、デザイン作業自体はPC画面の中で行いますし、依頼者とのデータチェック連絡もPC内で完結しますよね。しかしオフラインものは最後にどこかに「掲示」するのが前提。そうすると「真っ白なパソコンの画面の中とは違う環境で使用する」という点を理解する必要があります。

もっと具体的に表現すると、色の見え方が変わります。

人間は目で色を認識していますが、実際は「目で見ている対象物と、そのまわりに存在する色を自動調整して、全体の色を見ている」んです。(わかりにくい日本語ですね) 

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どういう事なのか補足画像を作ってみました。

画像の中のライン部分・円部分の灰色は同じ色を使っています。紺色の下地はクリアな灰色・ピンク色の下地のほうはちょっと濁った灰色に見えないでしょうか?

これは脳が「普段、影の中にある白っぽいものは明るく見える。だからこの灰色もきっと明るい色だろう」と自動解釈して、紺色下地上の灰色を実際の色味よりも明るく見せているんです。 

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(↑灰色を合体させてみました。同じ色です。

 

こんな感じで、周りにある色が増えれば増えるほど、オフラインものの色は「実際の色とは違う見え方をする」事が沢山あります。一歩外に出てみるとよくわかりますが、街の中は色だらけです。(特に人が沢山集まる場所。都内は様々な野外広告で色の洪水状態)私はそれに気が付いていなくて、画面上のカッコイイ見栄えや、室内蛍光灯の下で見る印刷見本の印象だけで決めがちだったのです。

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 これに気が付いてから、オフラインものを作るときは

「自分がデザインしたものが実際に使用される場所へ行ったり、写真を見せてもらって、実際はどんな見え方をするのか考える」

「直接的な情報が得られない場合は依頼者に周辺環境の状況を聞きまくる」

という工程を踏むところから始めるようにしました。すると自然に「実際に使ったらあまり目だなかった事件」の発生率は低くなっていきました。更に良い副作用がありまして、「なぜこのデザインなのか」が自分自身の中で明確に理由付けされるので、デザイン意図の説明もスムーズにできるようになったんです。

 ひよっこながら、「デザイナーって、ただ画面のなかでデータを作るだけの仕事じゃないんだな~」と気付けたきっかけでした。

 

ウェブデザインやアプリデザインは画面の中でデザインが完結しますが、オフラインものとはだいぶ勝手が違うのでしょうか?特にアプリデザインは個人的にとても興味深く見てます。アプリは「必ず操作する人がいる」のが前提なので、本当に必要な要素だけを選んで、誰もが直感的に操作できるように設計する必要があるもの。それって「作る側」からするとなかなかむつかしそうだ…と勝手に妄想しています。

(もし偶然この記事をご覧になっているアプリデザイナーの方がいましたら、そのお問い合わせフォームからこそっと教えていただけると嬉しいですw

 

**お問い合わせフォームを設置しました**

皆さんはデザインするとき、どんな工程を踏んでいますか?また、どんな雑誌やサイトで情報収集していますか?(ちなみに私はPinterestをよく使っています。平面~立体、幅広いジャンルのデザイン収集ができていいですよね~!)皆さんのデザインティップスも是非、教えてください~!

デザインやイラスト制作関するご相談も承っています!どうぞお気軽にお声掛けください。

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